エクアドルでコレア大統領を退けるクーデターらしきものが発生したが、大統領はセキュリティ・ガードに救出され、クーデターは成功せずに終わった。しかし、大統領邸は依然として警察(クーデター支持)に包囲されており、油断を許さない状況にあるらしい。
オリバー・ストーン監督のSouth of the Border(国境の南)というドキュメンタリー映画が、今年始めに上映された。私のブログを読んで下さっている方々はご存知かと思うが、米国は冷戦時代に、ラテン・アメリカの国々を、それらの国民の意思や希望とは関係なく、米国の利得の為に操ってきた。現在においては、いくらかその兆候は柔らかくなっているものの、依然として米国はラテン・アメリカをコントロールしようしている。ここ数年、ラテン・アメリカの各国において、米国の影響を撥ね退けようとする左派大統領を国民が選出したのには、そういういきさつがある。(ベネズエラのユーゴ・チャベス大統領、ブラジルのルラ・シルバ大統領、ボリビアのエボ・モラレス大統領など。) このSouth of the Borderという映画は、そうして国民の為の政治をするべく国民から選ばれたラテン・アメリカの大統領たちが、国民の為に奮闘している姿、そして、それだからこそ、米国の政治家やマスコミから悪者扱いされている様を映し出す。
エクアドルのコレア大統領も、国民から多大なる支持と信頼を得ながら、米国からは悪者扱いされている大統領の1人として、この映画に登場している。沖縄の米軍基地問題に非常に関心のある私は、この映画に登場したラテン・アメリカの大統領たちの中で、コレア大統領に最も共感を覚えた。というのも、コレア大統領は、国内に置かれていた米軍基地を閉鎖させた、という経歴を持つからだ。エクアドルの一般市民にとっては「ヒーロー」、エクアドルの裕福層、警察、そして米国にとっては「敵」のコレア大統領、先行きを見守ろう。
South of the Border トレイラー ( 映画サイト: http://southoftheborderdoc.com/ )
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