サンフランシスコのギャビン・ニューサム市長がカリフォルニア州知事選から撤退してしまった。
これを受けて、ジェリー・ブラウン州法務長官が民主党の正式な知事選候補となることは必至だ。ブラウン法務長官は、カリフォルニア州政界における長老。前に州知事を務めたことがあり、今回の選挙にて共和党候補を敗れば、知事職への返り咲きとなる。
ブラウン法務長官は年のわりに、社会政策的にはニューサム市長に劣らないリベラル派だ。ニューサム市長同様、移民の権利を守り、反戦派で、同性結婚も支持している。ブラウン法務長官がクリントン元大統領と折り合いが悪いのは、クリントン氏を「保守的すぎる」と批判したからだ。しかし、州の政界に長年居座ってきたということは、ニューサム市長と違い、州内の民主党実力派との馴れ合い、そして大企業を巻き込んだ腐敗、にどっぷり浸かっている。献金を受けている保険業界の為に法務長官が行った厚遇も最近取り沙汰されたばかりだ。
カリフォルニア州民主党の問題は、ニューサム市長のように比較的斬新で汚れが少ない政治家が虐げられてしまうことだ。長年掛けて、やっと州民主党内で力を増してきた頃には、州民主党実力者及び大企業利益優先の、腐敗した政治しかできなくなっている。
共和党からは現在、メグ・ウィットマン元eBay社長他数人が知事選に名乗りをあげている。誰が共和党の指名を勝ち取って本選に出馬しても、ブラウン法務長官の方が数倍ましなのは明らかだ。でも、ニューサム市長が抜けた知事選は、何とも面白くないものとなってしまった。
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